「ファイナルファンタジー」

興行失敗によりスクエアに会社が傾くほどの大損害を与えたCG映画。
FFというゲームがスーパーファミコンにて隆盛を誇ることとなった一番の要因は、緻密に練り上げられたそのストーリーにあったと思う。乱暴な話、ゲームシステムやグラフィック(CG)などは脇役でしかなかった。しかしPSへの移行をきっかけに比重が狂い出す・・・。その迷走の終着駅がこのCG映画。失敗は、PSに移行したときから既に始まっていたと思う。必然といえば必然の成り行き。
ストーリーへの評価がグラフィック(CG)への評価で(も)あると勝手に思い込んでしまう勘違い。もしくは、自分が全能者であるかのように思い込んでしまう勘違い。成功者が嵌りやすい落とし穴で、向けられた評価が自分の都合のいい方向、または自分の全人格・全能力に向けられていると勝手に思い込んでしまうある種の妄想。
坂口博信監督に科せられた勘違いへの代償は大きく、責任を取る形でスクエア副社長の座を辞任することとなってしまう(しかし何故かスクエアに居残っているらしい)。
個人的には、この種の意匠を凝らしまくったメカ描写が散見するSF映画は大好きなので、楽しく観ることができたのだけど。