よろしく!センパイ 第十回

松浦の回。デビュー当時を振り返り苦労はなかったと言う。自分の中に溜めずに思ったことは主張し、結果として間違っていたなら怒られる(正す)べきだと。松浦はそうしてきたと語る。放任だがけじめのついた理想的な環境によって、のびのびとしながらも天狗になることのない節度を養ったのか。マネージャーの人徳もあるのかな。
質問されてはじめて、ステージの出来栄えに悩み先輩に慰められたことがあったと告白。苦悩は少なからずあったはずだが普段は徹底して弱さを見せない松浦。意識下に押し込めているのか、あくまで前向きを貫き通しているのか。
デビュー当時を振り返るに、松浦は決して明るい性格ではなかったように思う。現在の「明るさ」は後天的に身につけていったものなのだろう。健全なチャーミーといったところか。「明るさ」が成功を呼び、成功が「明るさ」の裏付けである自信を補強していく好循環。才能もさることながら、若さを最大限に活かした思いっきりの良さと、反省を踏まえた前向きな姿勢を維持することのできる精神的な強さ。自己完結に終わらず他者をも巻き込む社交的な「明るさ」が松浦の持ち味。努力家なのだろう。
短所を売りにするのではなく短所さえも長所に変える積極性。モーニング娘。とは似ていて全く非なるもの。自尊心を切り売りするような後ろめたさはそこにはない。モーニング娘。のファンが「弱さ」に親しみを感じるのに対し、松浦のファンは「強さ」に憧れを感じるのかな。癒しを求めるか指針を求めるかの違いでそこに優劣はない(モーニング娘。は敢えて弱さを演じている節も)。
偉ぶることなくキッズへの激励に終始。話の節々からはキッズへの思いやりが窺えた(デビューが間近に迫り精神的に追い込まれているのかな?)。松浦以外にキッズ視点からの気遣いを見せた人物は皆無。松浦の気高い人柄と優しさに触れることのできた回。序章の最後を飾るのに相応しい内容。