僕と彼女と彼女の生きる道 第八話

可奈子(凛の母親)が再び姿を現し凛を引き取りたいと告げる。ゆらが徹朗への気持ちを自認した矢先の出来事。凛は可奈子のことで頭がいっぱい。ゆらは急速に自分の居場所を失う。
凛に(ピースサインを合図に)言い聞かせていたことからも、当初徹朗は可奈子とよりを戻すことは考えていなかった。最後に残していた自分(の都合)。それは凛にとって一番大切なことでもあった。家族離散の悲しみに暮れながらも現状を受け入れようと努める凛。凛の健気な姿に思いなおした徹朗は可奈子とやり直すことを決意する。
ゆらへの好意はあった(自覚していた)。だからこそ決別を告げる必要があったのだと思う。徹朗には凛とゆらと三人で過ごしたいという漠然とした期待があった(遊園地への誘い)。これ以上自分の都合で凛を悲しませるべきではないと思いなおした徹朗に他に採るべき道はなかったのだろう。感情を押し殺してまで(自分の都合のために子供を捨てた)可奈子とやり直す。キャリアもゆらへの思いも、全てを投げ捨て子供のために生きる徹朗。
凛を挟んだ徹朗とゆらの叶わぬ恋物語。徹朗と凛の絆に続き物語の第二の核になりそう。可奈子にも反省の色が窺えるが、あくまで自分本位の行動のように見える。仕事を得た可奈子は以前の徹朗と同じような価値観を持つのかな。ゆらといい改心した徹朗といい、良識人が割を食う理不尽(井上部長に至っては死んでます)。苦難物語のど真ん中を突き進む徹朗は、とりあえず一回落ちるところまで落ちると思う。