愛情イッポン!

アップになるたびに松浦の完璧な化粧が気になる。見事にぼかしの効いたアイシャドウが玄人感を醸し出し、とても普通の女子高生には見えないのだけど。かなり明るめの茶髪に上品なそうなショートヘア、更にセーラー服という組み合わせも、その組み合わせの悪さ故に水商売を連想させるものがあるように思う。
松浦の声質も石川梨華ほどではないないにしてもアニメ的で、シリアスな場面では少々場違いな感じがすることに気が付かされる。表現力には定評のある松浦だと思っていたが、それは「陽」方向に限ったことで、「陰」方向の表現はかえって持ち前の明るさが邪魔をしてしまうのかもしれない。端的に言うなら影がないというべきか。演技が浮き足立っているような印象を受ける。
声の演技が出来ない松浦には驚かされたが、歌が上手い人物は発声を自在にコントロール出来る能力を持つため、その辺は修練次第で幾らでも上達しそうなものだがどうなのだろうか。松浦は「SALT5」でもその声質の高さで一人浮いていたような記憶がある。音域によって得手・不得手があるのかもしれない。


物語展開は一見ベタに見えるが、この手の体育会系ドラマが陥りがちな根性・努力万能主義を微妙に回避していると思わせるところがある。第一話での文也の件は、勝負への執念が肉体的な能力に勝る「さよならドラえもん」のような展開になると思いきや、勝負には負けはしたがその努力は決して無駄ではなかったとして落着している(受身を一所懸命練習したから投げられても痛くない!理論)。基本的には安心して観ることの出来る冒険の少ないドラマだが、体育会系ドラマがパターンとして持つご都合主義を良い意味で裏切る展開が期待出来るように思える。