機動戦士ガンダムSEED DESTINY日記

「名はその存在を示すものだ ならばもし それが偽りだったとしたら…」
「…だが 君にできること 君が望むこと それは 君自身が一番よく知っているはずだ」

気が付くと、デュランダル議長が名言量産機として大活躍している。まるでシャア・アズナブルのようだ。僕を含め、彼の言動から目が離せなくなった視聴者が続出していることと思う。
無駄に含蓄のある内容はともかく、番組の構成上、これらの名言がどのようなタイミングで提示されているのかと注意してみた場合、ある特徴的な演出方法が見えてくる。「特徴的」とはいっても方法としてはただ単に毎回EDテーマを前倒ししてイントロ部分を本編ラストに重ねてきているだけなのだが、これが思わぬ効果をもたらしている。静かなメロディラインから始まり突如爆発的に盛り上がるその曲調は、本編ラストの余韻をもその中へと取り込み、大げさに言えばまさに爆発的なまでに視聴者へと印象付けている。デュランダル発言もそこに合わせてきていることが多く、嫌が応にも高揚感と共に強調されるという仕組み。少なくとも僕にはそのように感じられる。一番気分の高揚する瞬間は本編を観終わった後という不思議な番組でもあったりする。


さて、物語は「DESTINY シン・アスカ編」から「DESTINY アスラン・ザラ編」に移ったようで、描かれる苦悩もシンからアスランに由来するものへ。
アスランの父である故・パトリック・ザラは前大戦におけるザフト軍指導者で、戦禍を野放図に拡大した戦争責任を問われる立場にある人物のひとり。父の犯した罪の大きさに息子として責任を感じているのか、はたまた前大戦後期に「戦争終結」という大儀・信念に基づいた行動であったとはいえ、軍務放棄と軍指揮下からの離脱と独断に走った手前出す顔がないのか、大戦の英雄アスランは現在、ザフトを離れ名を偽り、民間人「アレックス」としてオーブ首長国連合に身を寄せていた。しかし運命は彼が時代の表舞台から降りることを許さず、所属不明艦による新型ガンダム強奪、テロリストによるユニウスセブン落としと、立て続けに起こる新たなる戦乱の幕開けを予感させる事件に、彼を立ち会わせるのだった…。
誰よりも戦局を打開する能力と戦況を左右する影響力を秘めながらも、身分を偽りただの民間人でしかない現在の彼は無力な存在。事の成り行きを見守ることしか出来ない。自分は何をすべきなのか。揺れ動くアスラン
そんな中、事あるごとに上記のような科白をぶつけ、執拗なまでに揺さぶりをかけているのがデュランダル議長。苦悩を見透かした見事なまでのピンポイント攻撃に、アスランは防戦一方なのだった。