小川麻琴について

小川という存在

フットサルやコントでの活躍を肯定する理由として「本人が楽しんでいるから」という考え方が通るとするなら、現在の小川についてもそれは適用されるのだろうか。アイドルとはかけ離れた道を突き進む小川ではあるが、本人が楽しんでいるなら好しと。
どちらにせよ、小川という存在は「アイドルとしてのモーニング娘。」を語る上で無視出来ない。アイドルとして活躍の場を与えられず現在飼い殺しの状態にあり、更に肥満問題やメンバー同士の怪しげな関係にも通じている彼女は、まるでモーニング娘。の暗部が服を着て歩いているようなものだ。ある意味最もモーニング娘。的なメンバーといえる。
たしかに小川は現在アイドルとしては停滞している。しかしその原因を掘り下げようともせず自業自得として否定することは、回り回ってモーニング娘。自体を否定することに繋がりかねないということだけは指摘しておく。小川が必要悪とまではいわないが、そこにはモーニング娘。が抱える構造的欠陥が大きく関わっていると思う。
そもそも小川のような存在を切り離しアイドルとしての純度を高めたとしても、それはモーニング娘。といえないのではないかと。僕は小川を否定もしないし肯定もしない。ファン側の願望を押し付け過ぎても息苦しいだけだ。

保田スタイル

以前H.P.オールスターズの一員として出演した「うたばん」で、小川は暗に太っていることを司会者二人にからかわれていた。いよいよ禁じ手無しの保田スタイル発動を予感させる出来事に思えた。
以前の保田がそうであったように、そこに生き残りへの活路を見出したのなら何もいうことはない。ただ小川の覚悟がいまいち見えてこないことが気になる。どうにもあっけらかんとしていて切迫感が感じられない。自らの欠点が白日の下に晒され「笑い」として処理されるということ、それは一歩間違えればとても不幸な事態を招きかねない。「笑い」というものは一種の差別だ。高橋や石川のようにルックスその他に長所として揺るぎのない柱が存在しているならまだ言い訳もきくが、崖っぷちの小川に退路はない。


良いところではなく敢えて悪いところを前面に打ち出し人目を引くのはモーニング娘。恒例のやり方なのだが、何もそんな茨の道を歩まなくともと毎度思う。メンバーたちの精神的苦痛の上に成り立っていることは否めず、そこまでするなら目立たなくともよいと我ながら過保護な考えを抱いてしまう。彼女たちはアイドルという「商品」である前に「人」なのだから。売り出し計画の一環として加入当初から劣等感を強いられることとなった紺野と高橋の例もある。
(参考)http://d.hatena.ne.jp/jango/20040119