ミニモニ。でブレーメンの音楽隊 第六回

駄目な自分に引け目を感じつつも、めげずに元気な美音子。おばけに動じることなく洋館でバンドの練習。洋館の管理者と名乗る弁護士登場。洋館使用の条件としてある曲の演奏を依頼される。美音子のおかげで長女の婚約者(警察官)の気分を損ねる。家族は激怒。フォークソングをやめろともみ合いに。ギターが壊れて美音子は意気消沈。見かねたおばけが不器用ながらも激励。熱意に押された(共感?)おばけはバンドに参加。元気とやる気を取り戻す美音子。
演奏を依頼された曲は何故かおばけがいつも奏でていた曲。美音子の拙い歌詞を乗せて演奏される曲を聴き、おばけは満更でもない様子。歌詞はまだ未完。歌詞が継ぎ足されていく過程に美音子の成長(?)を表現か。性質上成長することができないおばけこそブレーメンの音楽隊の本質。
フォークソングは反体制と自由表現(「自分の気持ちを自分の言葉で皆に伝えてみないか」)の代名詞ということで、警察官が強調する抑圧的な支配機構、厳格な父親から連想される封建主義と社会的に対立。駄目とされながらも長所(元気・楽器)を持つ主要メンバーが揃う第二部の主眼は、旧来の社会が押し付ける価値観(レッテル)を跳ね除け、自分ながらの長所を積極的に肯定する近代的な強さ(自我)を持てということなのかな。子供番組も年々込み入っていくものだと感心。第一部の灰谷に匹敵する万能ナビゲーターが第二部には存在しないので、正直いってよくわかりません。
ハーモニカを奪っておきながら取り返されると何すんのよと逆切れ。バンドの誘いを断られればあんたのためだと逆切れ。おばけを完全に圧倒し振り回す美音子。引ったくりと思えば弁護士にも飛び掛る。ぶりっ子な素振りも伴い、美音子が以前の辻の姿とだぶる。辻は多少の制約をつけた方が断然魅力的に映えるのだと、身勝手ながらも思った。物語の面白さとして考えた場合は、過剰なまでの辻仕様の作りが気になる。これでは加護はどれだけぶりっ子になってしまうのか。想像もつかない。物語性がかすみそうで恐ろしい。